【自己投影シリーズ】キラヤマトに見るマイノリティ人生
コズミックイラ70・・・
じゃなくて西暦2021年・・・
モテない陰キャとモテる陽キャ間の確執が一気に高まったバレンタインの悲劇から早2ヶ月・・・
いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは。性的マイノリティの咲良おこじょです。
さて、皆様は『機動戦士 ガンダムSEED』という作品をご存知ですか?
『機動戦士 ガンダムSEED』とは、平成のガンダムなどとも称されるロボットアニメで、
ナチュラルとコーディネイターという2つの人種間の争いの渦に巻き込まれていくキラヤマトという少年が主人公の物語。
このアニメが放送されていたのは今から十数年以上も前で、当時私も見ていたのですが、子供ながらに
「戦争は悲しいなあ、戦争は絶対に無くさないとダメだなあ」と思ったものです。
悲しい戦争の物語を通してこの作品が与えてくれるメッセージはとても深く、悲しく、でもどこか優しい。
大人になった今でも未だに心に残っているくらい、私にとっては不朽の名作で、DVDも持っているので時々見返したりもするのですが、
大人になった今見ると多少見方も変わっていたりして面白いです。
これは私が性的マイノリティとして生きていく中で、生き方のヒントを心のどこかで探してしまっているからなのか、
作中で割とマイノリティー(少数派)なキラヤマトという主人公に、とても勇気を貰う時があるのです。
そんなわけで今回は、『機動戦士 ガンダムSEED』の主人公キラヤマトに学ぶマイノリティー人生と銘打って記事を執筆していこうと思います!
この記事をお読みになることで、キラヤマトのように優しく、そして強く生きていくためのヒントを私と学んで頂けたら幸いです。
自分は少数派ではない、という方にも是非お読みいただければと思います。
『機動戦士 ガンダムSEED』とは
記事の冒頭にも書きましたが、この物語は争いがもたらす悲しみを描いたアニメです。
舞台はだいぶ先の未来の地球、といったような感じで、
ナチュラルとコーディネイターという二つの人種が戦争をしている世界。
ナチュラルとはその名の通り自然のままに生きている人たち。要は現在の私たちと大きくは変わっていない人種。
対してコーディネイターとは遺伝子操作をして先天性の能力をコントロールされた人たち。
ナチュラルと比べて生殖能力が低いなどの欠点もあるにはあるようですが、
基本的にコーディネイターは運動能力や知能、その他の機能が平均してナチュラルよりも高いので、
その能力の差がナチュラルの人々にとって畏怖や嫉妬の対象となっていった。
また、道徳的観点からも遺伝子操作を禁忌とみなし、非人道的なテクノロジーを使用して能力を得ているとして反発する人もおり、
恐れや妬みから始まった反コーディネイターの思想は、非人道的であるという大義名分を得て、次第に肥大化。
そんなナチュラルとコーディネイターの軋轢は最終的には戦争にまで発展していった・・・
というのがこの作品の背景となっています。
ちなみに、遺伝子操作は受精する前の段階(?)で行われるため、コーディネイターは本人ではなくその親の意思によって遺伝子がデザインされている。
コーディネイターもナチュラルも望んでその人種として生まれてきたわけではないのです。
キラヤマトの特異性
そもそもコーディネイターは「ガンダムSEED」の世界の中では少数派。
そんな少数派の人種として生まれたキラなのだが、流れ流されて多数派であるナチュラルの陣営に付く事になる。
コーディネイターでありながら、ナチュラルの陣営に加わって戦うというとても歪な状態。
少数派の中でもさらに少数派・・・
それがガンダムSEEDにおけるキラの立ち位置です。
性的マイノリティの私はそこにシンパシーを感じてしまいます。
少数派であるがゆえの苦悩
まず前置きしておきたいのですが、そもそも多数派だろうと少数派だろうとそこに優劣は本来はないはずで、
どちらにもきっとそれぞれの信条や正義があると私は思っています。
しかし、何かを”悪”と信じる者たちにとって、それは紛れもない”悪”となってしまう。
違う視点から見れば悪ではないかもしれないけれど、人は残念なことに主観でしか物を見れない。
ある程度他者の考えを慮ることは出来ても、最後には主観というフィルターを通ってしまうから。
それゆえに、多くの人にとっての少数派は”理解しえない奇人”として映ってしまうのでしょう。
多くの人に理解をされないというのは、それ自体が悲しいことだと私は思う。
作中のキラヤマトもコーディネイターでありながらナチュラル陣営(地球軍)にいることに不信感を持たれ、様々な偏見の目や暴言に晒されています。
「君、コーディネイターだろう?」
地球軍の士官、ムウさんがキラと初対面で開口一番にした質問。
おそらく、ムウさんの人柄から考えるにその言葉には悪意はなくて、純粋に気づいてしまったからストレートに質問しただけなのだろうけど、このシーンを性的マイノリティで置き換えると・・・
「君、レズビアンだろう?」
「君、ゲイだろう?」
「君、バイセクシュアルだろう?」
「君、トランスジェンダーだろう?」
と聞かれるようなもので、当事者の私としては恐ろしい質問だなと思ってしまいましたw
瞬時に「だからなんだっていうんです!?」と守ってくれる友人を持っていたキラは人望が厚いなあ・・・
「コーディネイターのくせに馴れ馴れしくしないで!」
キラが好意を寄せていた女の子、フレイが口にした言葉。これもめっちゃ辛い。
好きな人に生まれ持った特性を否定されるシーンですね・・・
生まれながらの特徴を否定されるって、まるで生まれたのが間違いなんだと言われているような気持ちになるんですよね。
この言葉に続いて、
「皆だってコーディネイターなんて気持ち悪いって思ってるんでしょう?」
というセリフも相まって、偏見や差別のキツさが窺える場面です。
「守りたい人たちが・・・友達がいるんだ・・・!」
好きな人や同じ軍隊の人たちから懐疑的に見られ差別される環境にありながら、
それでもキラは大切な友人や好きな人を守るために懸命に戦います。
それなのに戦いのあとで
「敵が同じコーディネイターだから本気で戦ってないんでしょ!」と言われたりするのです・・・
人間は正義を手にした時一番残酷になると何かの漫画で読みましたが本当にその通りです。
一度”悪”と決めつけられたら、事あるごとに非難され、叩かれます。
アニメだけの話じゃなくて、現実でも同じようなことがあるように思います。
得てして少数派はそのような対象になりやすいのではないでしょうか。
キラヤマトの生き様から何を学ぶことが出来るのか。
どんな差別を受けて傷ついても、キラは最終的には友人や好きな人を守るために戦います。
差別に屈し、弱々しく生きるのではなく、己の信じるもの、大切なものを守り抜くために戦ったのです。
大切なもののために、挫けない強さを持つ…
言葉にするのは簡単ですが、そういったメンタルを育てることは簡単ではありません。
また、実際に差別を受けて苦しんでいる人に対して、
「負けるな!強くあれ!」
と外野から咜りつけることはあまりにも残酷な行いです。
私自身も弱い人間なので、キラのように強く優しくなることはなかなか難しいと感じています。
それでも!
大切だと思えることや、守りたい何かを持つのであれば、それを圧し殺して生きていくのは幸せな生き方ではない…
だからせめて圧し殺されないだけの強さを持たなければいけないのだと思う。
大切な自分という個性を守るためにも。
そして、この世には色んな人がいます。
沢山の生き方があるなかで、例えば誰かにそれを否定されたとしても、
同じように相手を憎むのではなく、歩み寄る選択ができる優しさを。
そんな強さと優しさを持ってかっこよく生きられたら、素敵ですよね。
差別されたら心はすり減るし、ムカつくし、仕返ししたくもなっちゃうけど・・・
そんなときはガンダムSEEDを見て、争いの虚しさを思いだして、強さと優しさを取り戻そう!
というわけで、今回の記事は以上になります。
ガンダムSEEDについてはまだ色々話したい事があるのでまた記事にしたいと思います。
最後までご覧になって下さりありがとうございました♪
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